韓国留学体験記
語学留学経験者
S.Tさん(東京都出身)
慶燕大学と高麗大学の2つの語学堂で韓国語を勉強し、現在はワーキングホリデーで再び韓国に滞在中のS.Tさんに韓国語学留学についていろいろと聞いてみました。
- 今日はどうぞよろしくお願いします。ところで早速ですが、韓国に来る前は何をなさっていたんですか?
はい、わたしは日本で歯科衛生士の仕事をしていました。
- そうだったんですね。 ところでなぜ韓国に語学留学しようと思ったんですか?
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はい、尊敬している日本人の先輩がいるんですが、その人から韓国についていろいろな話を聞いたことがきっかけなんです。例えば「農業に使う農具をはじめとしたいろいろな文化が韓国から日本に伝わった」という話だったんですが、ものすごく感銘を受けて、ぜひ日本の文化に影響を与えた韓国という国を自分の目で見てみたいと思ったんです。
でも実際には仕事していたのでなかなか留学をする機会がなくて、ずっと心の中でいつかは留学したいと思い続けていました。 - なるほど。確かに日本独自の文化もありますが、韓国から伝わった文化もたくさんありますよね。それでは韓国にはいつ頃来たんですか?
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はい、初めて留学のために韓国に来たのは2005年2月です。 ちょうど一時期日本が不景気になった時に、わたしの勤めていた病院でもリストラの雰囲気が出始めて、ちょうどいいタイミングだと考えて思い切って仕事を辞めたんです。
それで、はじめの一年は慶燕大学の付属の韓国語学堂で1年間勉強して、その後2006年4月からは高麗大学で3ヶ月間韓国語を勉強しました。 - 数多い語学堂の中から慶燕大学を選んだ理由はありますか?
はい。先ほどお話した先輩がちょうど慶燕大学の関係者だったんですね。ですのでぜひ同じ大学の雰囲気を見てみたいというのが理由でした。
- 留学手続きは自分でなさったんですか?
はい。最初は旅行会社に代行を頼もうかと思っていたんですが、留学中に挫けそうになったときに、自分でここまでたいへんな思いをしてやってきたということを励みにしたくて、なんとか誰にも頼ることもなく直接願書を出したりして済ませました。もう本当にドキドキしましたよ。これでいいのかなって(笑)
- 当時韓国語のレベルはどれくらいだったんですか?
独学で勉強したことがあったので全くの初心者というわけではなかったんですが、時間のあるときにちょっとずつ本で勉強しただけだったので、実際にはハングルが読める程度です。慶燕大学の語学堂の初級クラスには2つのレベルがあるんですが、わたしは上のクラスからスタートしました。
- 誰か現地にサポートしてくれる人はいましたか?
はい。当時留学していた日本人の友達や以前に旅行で韓国に来たときに知り合った韓国の友達がいたんですが、はじめのうちは何から何までいろいろとお世話になりました。あと、慶燕大学と高麗大学の語学堂には『トウミ』と呼ばれるサポートシステムがあって、留学生一人につき大学生のサポーターが一人ついてくれてくれるんですが、年も近かったですし、とても親切だったのでとても助かりました。
- それはとてもいいシステムですね。ところで一クラスに留学生は何人くらいでしたか?
だいたいなんですが、一クラスは10人程度で初級から上級クラスとその上の特別クラスを併せると20クラスくらいだったと思います。
- 留学生はどこの国の人が一番多かったですか?
学校全体で言うと中国人が一番多くて次に日本人でした。
- 留学してどのくらいで日常会話に不自由しなくなりましたか?
そうですね。よく留学生用のガイドブックを読むと3ヶ月で話せるようになったとか書いてあることが多いんですが、わたしは3ヶ月経ってもわからないことばかりで逆にあせるようになったんです。ようやく慣れて意志疎通が問題なくできるようになったのはやっぱり半年を過ぎてからだったと思います。
- 半年でも立派ですよ。ところで実際に韓国に留学してたいへんだったことなどはありますか?
そうですね。韓国に留学する前には韓国に対するいいイメージばかりを聞いていたのでどうしてもこちらで生活していると嫌な部分も見えてくるんです。例えばこれは韓国人が全員そうだというわけではないんですが、わたしの周りの韓国人の人の中に約束を守らない人が多かったんです。そういうのが続くととってもがっかりした気分になってしまって。多分そういうのは韓国人だったら「ケンチャナヨ(大丈夫だよ)」の精神で許せるんでしょうけど(笑)でも、逆にそんなときは日本の良さや親のありがたみが見えてきました。
- 確かにそういうときってありますよね。日本人は結構きっちりとしている人が多いからすぐには「ケンチャナヨ」で済ませないってことありますよね(笑)それでは何か思い出に残る出来事などはありましたか?
はい。 わたしは留学中にボランティアのサークルに入っていたんですが、そのサークル活動が一番思い出に残りました。
- 具体的にはどんな活動をしたんですか?
例えば老人ホームを訪問してお年寄りのお手伝いをしたり、インサドンというソウルの昔の町並みが残っている観光地に行ってみんなでゴミ拾いをしたするんですが、時々サークルの仲間がわたしのような留学生をいろいろな博物館に案内してくれたりもするんです。なかなか日本では体験できないことでしたし、サークルのみんなとも仲がよかったので今でもいい思い出です。
- それはいい体験をしましたね。それでは実際に韓国に留学してみて韓国の人から学んだ点は何ですか?
はい。スポーツの試合のときなどに、国民みんなが団結して韓国を応援している姿を間近で見たんですが、とても情熱的でうらやましく感じました。日本人だったらもっと冷めている人が多いですよね。何でも一生懸命っていうかんじで。それにだれか周りに困っている人がいるとみんな親身になって聞いてくれるので、そういう面はもっと日本人として見習わなければと思いました。
- たしかにそうですね。そういう面は見習わなければなりませんね。それでは最後にこれから留学する予定の人に何かアドバイスをお願いできますか?
そうですね。まず、留学費用なのですが、わたしの場合学費とは別に生活費として1年間に100万円くらい用意していたんですが、それでも生活するのがたいへんだったです。 語学留学だとアルバイトも基本的にはできないですし、周囲の友達もやはり100万円じゃ足りないという人がたくさんいました。とにかく物価もそれほど安くない国ですからこれから留学する予定の人はできるだけ貯金をたくさんしておいた方がいいと思います。
あと、何か目標を立てていかないと、どうしてもふらふらとしてしまって流されやすくなってしまうと思います。実際に留学中にも何度も途中で挫折してしてしまった人を見てきたので、ぜひこれから韓国に留学する予定の人は目標をきっちりと立てたほうがきっと留学生活も成功するのではと思います。ぜひ、がんばって下さい。